「百聞は一見に如かず」の後に来るものは?

グラジオラスと小さなつぼみ

What comes next to ” Seeing is believing.” ?

「おじいちゃん、おじいちゃん、『ひゃくぶんは何とかって、何?』」と、
中学2年の孫が、突然話しかけてきた。

「何のことだい?」と聞き直して、どうやら「百聞は一見に如かず」のことだと分かった。
それで、「その意味は、百回聞くより、1回見た方がよくわかる、という意味だよ。」と、説明してあげた。それ以上何も聞かれなかったので、孫との話はそれで終わった。

その時に、孫に話したかったことを、今ここでお話しすることとする

この格言が生まれた中国は、当時交通が不便であり、主な情報源は、人からのお話だけだったと思われる。

China, where this saying was born, was inconvenient for transportation at that time, and it seems that the main source of information was only people’s story.

そういう状況であれば、いろいろ人に聞くより実際に見た方が、わかり易かったことはうなずける。

しかし、とはいえ、その時代に「見る」ことのほかに、もっと大切なことはなかったのだろうか?
そのことを考えるために、この格言に続く後の部分を、
「見たい」と思わない?

「百見は一考に如かず」
が続くのであるが、この部分はあまり知られていないみたい!
Next saying is that “thinking once is better than seeing 100 times”.

確かに「見る」ことが、理解に結びつく近道ではある。
しかし、「見る」ことよりもさらに大事なことは、「考える」ことであると、中国の人はやはりわかっていたんだ!

今や日本では、テレビ、ネット、インスタグラムなどにより、世界中のことが労せずして、誰でも見たり、聞いたりできる時代!
スイッチ一つで数限りない情報が瞬時に手に入る時代!

この便利な時代に、情報に振り回されず、迷わず生きていく上で、何が重要なんだろう?

What is important for us to live without getting lost in this convenient era, and without being swayed by information?

その答えは、もちろん「考えること」!
The answer is, of course, “to think”.

このような時代だからこそ、この「百見は一考に如かず」と言う格言が、大いに重みのあるものと言える。

「天国の本屋」

ところで、この文を書いていて、かなり前のことだけど、思い出したことをお伝えしたい。

ーー鎌倉市の小さな出版社が出した、1万冊の本が千冊しか売れず、断裁して処理する寸前だったとのこと。盛岡市のある書店の店長が、たまたまその本を読み、すごい感動を覚えた。新入社員に勧めたら、読んで号泣!

そこで店長は口コミで感動を伝え、その本の良さを、全国の知っている書店主に触れ回った。すると、岩手、東北と売れ始め、全国的に反響を呼び大評判となった。

その結果、無名作家の小説、「天国の本屋」が20万部以上も売れる、ベストセラーとなったというお話。ーー

店長の小さな行動
The store manager’s small actions  

伊藤店長は一冊の本を読み、すごく感動!それを人に伝えたいと、すぐ行動!
Manager Ito was very mooved after reading the book. And he took action immediately to tell people about it.


店長によれば、「どこの店長も売りたい本を見つけるのに、苦労している。いい本を紹介して、喜ばれるのが一番うれしかった。」とのこと。

この店長の、素晴らしい点は何だろう?

「いい本を多くの人に読んでほしい、と思ったから人に勧めた。」という、損得なしの行動がすごい。
” I wanted many people to read a good book. So I recommended it to people.” His profit-free behavior is amazing.


感動した店長の、いい本を知らせたいという、気持ちが人に伝わり、捨てられる寸前の本が、ベストセラーへと変身!

すごくドラマティックな展開であり、まさに事実は小説よりも奇なり!

では続いて、
「百考は一行に如かず」

「百見は一考に如かず」には、さらにこの言葉が続いている。

百回考えるより、一つの行動の方が意味がある、というのだ。
このような格言が生まれてくる中国は、どんな状態だったのか興味がわくところであるが、それはさておいて、

現代は情報の時代であり、無数の情報があふれている。その情報に流されないためには、考えることは不可欠であろう。

しかし、現代は考えるだけでは何ともならない時代になった、と言えるのではなかろうか。考えるだけで行動しなければ、何も変わらない。

現代を救うのは、伊藤店長のような小さな行動ではなかろうか。

Isn’t it a small action like manager Ito to save modern times?

なぜなら、変化の激しいAIの時代には、SNSによる発信のような小さな行動でも、大きな変化をもたらすことができるのだから。

今はまさに、「百考は一行に如かず」という格言を胸に、生きる時代と言えるのではなかろうか。

白いシュウメイギク3本


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