色の知られていない力

The unknown power of colors

近くの市立図書館に、「びっくり本」というコーナーがありました。

そこで、ふと手にしたのが「人生を変える色彩の秘密」という本です。

今まで色彩についての本など無縁でしたので、どうして手に取ったのかわかりません。

でも、意外と面白かったのです。

みなさんは、色が心や体にどのように影響を与えるかをご存じですか?

Do you know how colors affect your mind and body?

実は、色にはそれぞれ「波長」があり、この波長が私たちの脳や体に刺激を与えています。

例えば、赤い色を見ると心拍数が上がるのをご存じでしょうか?赤はエネルギーを象徴する色で、体が「いざ勝負!」というモードに入るんです。

逆に青い色を見ると心拍数が下がり、リラックスモードに切り替わります。これを知っておくと、日常生活での色の使い方が変わるかもしれませんね。
たとえば、家族会議で意見がぶつかりそうな時は青いテーブルクロスを準備するなどはどうでしょう。

なんとなく面白いと思いません!

もっと極端な例がありました。

アメリカの刑務所ではピンク色の独房が広く採用されているとのこと。壁や天井を実験的にすべてピンク色に塗り替えたそうです。

すると、それまで体罰や鎮静剤によってしか鎮めることができなかった暴力行為などの発生が、みるみる減ったというのです。

実はピンク色はいらだった神経を数分で鎮める効果がある色なのです。

In fact, pink is a color that can calm irritated nerves in just a few minutes.

これを読んで、色彩と身体には関係があるらしいということが、なんとなくわかったような気がしませんか。

次に、絵を描くことが私たちにどんな影響を与えるのか見ていきましょう。

最近の研究では、絵を描く行為が左脳を休ませ、右脳を活性化させることがわかっています。

左脳は論理や計算を担当しているので、日々の忙しさの中でフル稼働状態です。

一方で、右脳は感情や想像力を担当しており、絵を描くことで「脳のリフレッシュタイム」を作ることができます。

右脳を活性化させると、心が軽くなり、アイデアも浮かびやすくなるそうです。

It seems that if you activate the right brain, your mind will be lighter and your ideas will be easier to come up with.

著者は「子供のアトリエ」という教室を開いて、いろいろ実験し研究しているとのこと。

その結果、色は人の心を如実に語るものであり、色彩が心や体のエネルギーを高めるすごい力を秘めていることを確信したそうです。

私も、まずは実験ということで、家にあったクレパスを使って、最初はストレスや怒りなど、心の中のネガティブな感情を色で吐き出しました。
黒や茶色を使って画面いっぱい、×印や、ぐちゃぐちゃな線をいくつも書きました。

そのあと自分にとって気持ちのいいポジティブな色(ピンク色)で、カーブした線や〇印をたくさん書きました。

これだけですが、なんとなく落ち着いてきたのかなあ、という感じがしました。

絵を描くことは、さらに子どもの心理を知る手がかりにもなります。
たとえば、お子さんが描いた絵に使われている色や構図を見ると、意外な一面が見えてくることがあるといいます。

明るい黄色が多い日は楽しい出来事があったのかもしれませんし、灰色や黒が多いときは何か悩み事を抱えていることが考えられます。

絵は言葉で表現しきれない深い感情を、表に現わすことができるのです。

Drawing can bring out deep emotions that cannot be expressed through words.

ですから、子どもの描いた絵を通じて、いじめなど子供の異変を絵でチェックできるとのことです。

まとめになりますが、色には人の気分や行動を変える力があります。

明るい黄色は前向きなエネルギーを引き出し、青は心を落ち着かせます。緑は疲れを癒します。

このような色彩の持つ意味を教えることにより、子供は生活の中で色の活かし方を自然と身につけていき、より楽しく生きていくのではないでしょうか。

色彩の持つ様々な力いかがでしたか。


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