Experience changes senior high school students so much.
皆さんは、高校生(家庭学科)が保育実習を通して、どんなことを感じ、何を学んでいるかご存じですか。
Do you know how they feel and what they learn through childcare practice?
私は高校の教師として、長い間、生徒たちの成長を見守ってきました。そのなかで特に印象深いのが、保育実習での変化です。
The changes through high school students’ childcare practice were very impressive.
今日は、私が実際に目にした高校生たちの成長について、そして体験学習の重要性についてお話ししたいと思います。
なぜかというと、昨日の新聞で2つの記事を見たからです。
1つは、体験学習として小学生がところてんの作り方を、地元の食品会社の人から学ぶという記事。
2つは、地方都市が首都圏の学生たちを、1週間ほど受け入れるという官民のプログラムが広がっているということ。
これは就業体験ということで、大学教授が学生と地域をつなぎ、地場産業や地方での暮らしを体感できるというもの。
実は、めったにないことですが、自分の教科以外の「保育実習」を行っている高校を、見学する機会があった。
I had a chance to visit a high school that conducts “childcare practice”.
生徒たちは、最初は「面倒だ」とか「子供とどう接したらいいかわからない」と、不安を抱えていたそうです。
しかし、実際に幼稚園を訪れると、子供たちと笑顔で触れ合い、一緒に走り回ったり、自分たちが作った紙芝居を読んであげたり、とても仲良く遊んだそうです。
保育実習での生徒たちの言葉が語る成長
Students’ growth through “childcare practice” told by their words.
生徒たちの感想文には、心の変化が赤裸々に綴られていました。
The changes in the students’ minds were written nakedly.
「訪ねる前は、めちゃ嫌だった。でも自分をお兄ちゃんと呼んでくれて、一緒に手をつないで走ったりして、なんかとてもかわいいと思った。」
「僕には弟や妹がいないので、今回、保育所に行って初めて触れ合った。かわいかった。保育所に行って子供が欲しくなったけど、育てるのはとても困難だなあと思った。」
「今回保育所に行って、考え方を改めさせられた。少し子供たちと遊んだだけなのに、本気でしんどかった。自分はこんな大変な仕事をやれるのか、ということに早めに気づかせてもらえたので、この実習は本当にありがたかったです。」
I wonder if I can really do such a tough job. I am really grateful that this practice made me realize that.
これらの言葉から、生徒たちが保育実習を通して、人との触れ合い、将来のキャリア、そして自分自身を深く考えたことがわかります。
体験学習が育む力
なぜ、保育学習のような体験が、生徒たちをこれほどまでに成長させるのでしょうか。
それは、体験を通して、教科書だけでは学べない、「生きる力」を身につけることができるからです。
That’s because people can acquire the power to live through experience that cannot be learned from the textbooks alone.
「生きる力」とは、子供たちとの触れ合いを通して、言葉遣いや接し方を学び、コミュニケーション能力が向上します。そして異なる世代の人々と関わることで、社会性も身につきます。
こんなところでしょうか。
また、様々な職業に触れることで、将来のキャリアを考えるきっかけになります。別の言葉で言えば、職業観が形成されます。
「総合的な学習の時間」の重要性
The importance of ” time for comprehensive learning”
職場体験、ボランティア活動、地域貢献活動など、さまざまな体験を通して、生徒たちは自ら考え、行動し、成長していくことができます。
このような体験学習の機会は、「総合的な学習の時間」で多く設けられていますが、それはまさに、「総合的な学習の時間」の設定された目的でもありました。
この「総合的な学習の時間」の重要性が、教育の分野だけでなく、産業界でも、理解され受け入れられてきたことは、非常に喜ばしいことと言えます。
It can be said that it is very gratifying that the importance of ” time for comprehensive learning” has been understood and accepted in the field of education and industry.
人は体験を通して考えが深まり、知識が実際に役立つ知恵となります。今の時代の子供たちに必要な「生きる力」は、このような体験学習によって育つ、と言ってもよいでしょう。
ですから、子供たちには家庭においても、掃除や食事など家の手伝いを体験させ、「生きる力」を育てていきたいものです。