BBC放送の日本特集「1400年も企業が続くわけがない」

BBC’s Japan Special: “There’s no way a company can last 1,400 years”

BBC放送のドキュメンタリーを見て、日本の継承の秘密に衝撃を受けた。

ここで紹介されている日本の企業「金剛組」は、578年に創業され、1,400年以上にわたり存続してきた世界最古の企業とのことです。

日本人の私も知らなかったのですが、この驚異的な長寿企業の秘密を探るBBCのドキュメンタリーは、多くの視聴者に衝撃を与えています。

なぜだと思いますか?

その理由は、日本独自の継承文化や価値観に深く根ざしているからです。

The reason for its longevity lies deeply rooted in Japan’s unique culture of succession and values.

まず歴史的にみると、「金剛組」は、聖徳太子が仏教寺院「四天王寺」を建立するために、朝鮮半島の百済から宮大工を招いたことに始まる、と紹介されています。

以来、同社は仏教建築を中心に事業を展開し、戦乱や自然災害、政権交代など数々の困難を乗り越えてきています。

皆さんはこの奇跡に近いようなことが起きたその背景には、どのようなことがあると考えますか?

次のような、日本独自の考え方や文化があると言われます。

まず第1は、家業としての継承

金剛組は、家族経営を基本とし、技術や経営理念を代々受け継いできたと言われます。

血縁にこだわらず、能力や適性を重視して後継者を選ぶ柔軟性も持ち合わせており、必要に応じて婿養子を迎えるなどして家業を守ってきています。

このような継承の在り方は、日本の多くの老舗企業にも共通しています。

帝国データバンクの調査を見たのですが、創業300年以上の企業数は、日本に889社あり、世界でトップです。

2位はドイツで200社前後です。日本の企業すごいですね。

次に、伝統と革新の融合

長い歴史の中で、金剛組は釘を使わない伝統的な「木組み」技法を守りつつ、時代の変化に応じて新しい技術や経営手法を取り入れてきました。

Kongou Gumi has adapted to changes over time by incorporating new technologies and management methods.

例えば、明治時代には西洋建築の要素を取り入れ、近年ではCADソフトを活用しています。

まさに、伝統と革新を融合させる柔軟性が感じられますね。

そして、顧客との信頼関係

金剛組は、顧客との長期的な信頼関係を築くことを重視してきたと聞きます。寺院や神社との関係は数百年に及び、定期的な修繕や改築を通じて安定した受注を確保しています。

このような関係性は、日本の「取引先を大切にする」文化の現れ、とも言えるでしょう。

最後に、無形の価値を重視する文化

日本では、目に見える利益だけでなく、信用や信頼、技術の継承といった無形の価値が重視されてきました。

In Japan, not only visible profits but also intangible values such as trust, credibility, and the inheritance of skills have been highly valued.

金剛組のような企業が長く存続できるのは、こうした価値観が日本社会全体に浸透しているからです。

金剛組の1,400年にわたる歴史は、このように日本独自の継承文化や価値観によって支えられてきたことがお分かりかと思います。

現代のビジネスにおいても、伝統を尊重しつつ柔軟に変化に対応する姿勢を、もう1度見直すべき時と言えるでしょう。


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