センス、哲学という言葉に、なんとなくひかれてこの本を買った
センスの良さとは、「いろんなことに関わる抽象的なリズム感の良さ」と言う。
普段の生活で、服装のセンスがいいとか、悪いとか話題にしている私、
センスにはリズム感が関係しているらしい
Sense has something referent with rethem.
何となく、なるほどと思った
筆者は、千葉雅也といい立命館大学大学院先端総合学術研究科の教授である。
本のタイトルは「センスの哲学」。
The title of this book is phylosophy of sense.
新聞の書評欄で、AI時代に哲学本人気という見出しで紹介されていた。
それで、「おお、AI時代に哲学か!」と思って、本屋に行ったが在庫はなく、注文という形になった。
紹介記事を書く記者も、
なかなかうまいもので、こんな風に書いてあった、
――「親ガチャの哲学」など、「哲学」を冠した本の刊行が目立っている。
人工知能(AI)が発達する時代に、自ら深く考えることを求める人が増えていると言えそうだ。
センスという言葉を皮切りに、人間という存在を考える。――
AIの時代に、深く考える人が増えているとは!
It’s suprising the number of people who think deep is increasing
in the area of AI.
哲学が求められるとは! すごく逆説的!
筆者によると、センスとは、「直感的にわかる」ことであり、
「いろんなことにまたがる総合的な判断力である」とのこと。
私は、「センスって、生まれつき持っている感性や直感のこと」と、アバウトにとらえていたが、当たらずとも遠からず、と言えようか
筆者はまた、「センスが悪いと言うと、能力の問題のように聞こえます。それに対し、
センスが無自覚であるという言い方をしたのは、姿勢を変えることでセンスに自覚的になれると言いたかったからです。」と言う。
この言葉から考えると、センスは変えられるらしい
He seems to say sense is changeable.
これでホッとした。変えられなかったら、努力している人にはキツすぎる
筆者はまた、「センス」は物事をリズムとして捉える力、つまり、
様々な要素の組み合わせ方やバランス感覚によって、生まれるものだとも言っている。
He also says sense is borne by the combination of vatious elements and
sense of balance.
これは、自分にはセンスがないと思っている人には、すごく有難く大きな救いとなる!
今、引用した、様々な要素の組み合わせ方について、詳しく見ると、
「一つの本の装丁は、本のタイトル、著者名、カバーのデザイン、文字の大きさや種類など、無数の要素から構成されています。
これらの要素が、どのように組み合わさるかによって、本の印象は大きく変わります。」と言っている。
要素の組み合わせ方こそが「センス」だなんて!
すごく分かりやすい、新しい説明ですね!
経験や学習によって、センスが磨かれるならやってみたい!
自分の「センス」を見つけ、磨くヒントが得られてうれしい
自分の「センス」を磨くために、
ふだん何気なく見ているもの、例えば、街並み、音楽、ファッションなど、
様々なものを意識的に観察し、それらの要素を組み合わせてみればいいだけよね
筆者はまた、「センスとは、ものごとをリズムとして脱意味的に楽しむことができること」、とも言っている。つまり、
「芸術作品や生活の一部を、その意味や目的からいったん離れて、形や色、響き、味などのリズムとして楽しむこと。」
リズム「だけでいい」という感覚になることがセンスの第一歩!とは!
こんなに言い切って、なんだか簡単すぎる気がするけど、
でも、自分の「センス」を見つけるヒントが得られたことに、まず感謝!
自分の「センス」を磨くためには、
音楽を聴く時、映画を見る時など、様々な場面で、
その中に流れるリズムを感じ取ろうとすればいいんですよね
In order to improve your sense, in various situations such as when
listening to music or watching a movie,
all you have to do is try to feel the rhythm flowing in it.
ここでちょっと立ち止まって、冷静にならなくちゃ、いけないんじゃない?
千葉教授は紛れもない哲学の教授、
しかし、ファッションに関してはシロート(かと、思われます)、
ですから、ここでは、やはり、ファッションのデザイナーとかファッションスクールの先生がたの考えも、聞いた方がいいのでは?
そこで、服飾のプロや先生は、センスの概念をどうとらえているのか?またセンスは生まれつきのものなのか、また、後からでも身につくのか?
それで、調べてみました。
ファッションデザイナーやファッションスクールの先生の「センス」の概念は次のようです。
一般的に、プロの人たちが「センス」と呼ぶものは、単に「好みの問題」や「直感」だけではないようです。長年の経験、学習、そして深い考察から培われた、より複雑で多層的なもののようです。
センスは生まれつき?それとも後天的なもの?
一概に「どちらか」と断言することは難しいようです。多くのデザイナーや先生は、センスの根底には、生まれ持った感性や直感が確かに存在すると考えているようです。その才能をどのように開花させ、洗練させていくかは、後天的な努力によるところが大きいと言っています。
この辺の答えはちょっと普通の人でも考えられるレベルですね
いずれにせよ、センスを磨くためには、筆者も言っているように、多様な情報に触れて、
ファッション誌、映画、美術館、街など、あらゆる場所からインスピレーションを得ること!
に落ち着きそうです
先ほどのリズム感に戻りますが、センスを様々な要素が組み合わさった「リズム感」として捉えるという発想は、これはまさに新しい視点であり、筆者の持つ素晴らしいセンスに感動です
まとめになりますが、「センスの哲学」という、この本のおかげで、センスの根源に迫る考え方と、
センスの本質的なことがわかった気がします
新聞の紹介記事にありましたが、この本が、思索の楽しみに誘ってくれるまではいかなかったけれど、少しは考える楽しみを味わえたかなあ