日本はかつて、「言霊の幸わう国」と言われた、
言葉には霊力が宿る、と日本人は考えていたのですね
言霊は、言と霊の二つの漢字でできています。
The letter, kotodama consists of two Chinese letters, word and spirit.
「言」は言葉、そして「霊」は霊力とか、魂を表します。
つまり、言霊は言葉に宿る霊力、魂を表しています
古代日本人は、言葉には神が宿ると信じていたのです。
例えば、「人を呪わば穴二つ」ということわざがありますが、聞いたことがある人もいらっしゃると思います。
これは人を呪って、その命を奪うこともできるが、同時にその言葉を発した自分にも、その力が及ぶので、二つの墓が必要になるという意味です。
この諺とピッタリの英語の諺があります。
Curses come home to roost.
これを見ると、イギリス人も、「言葉はその表わす内容を、実現する力がある」ということを、すでに知っていたのですね、
もう一つ、外国の例です。
オーストラリアの先住民・アボリジニは、森の中の大きな木が邪魔な時、次のようにして倒していたそうです。
How do you think they did?
アボリジニは数十人が集まって、その木に向かい、「お前は邪魔だ。倒れてしまえ!」と、二十日ほど言い続けます。すると、本当にその大木は倒れたといいます。
「言葉には物事を実現する力がある」ということなんですね、
アボリジニはこのことを実際の生活で体験し、生活に生かしていたのですね、すごいと思いません?
近年、言霊に関する本や、セミナーが人気を集めているようです、
その背景としては、現代社会に増えつつあるストレスや不安が考えられます、
生きていく上で、悩みの解決策として、言霊によって、自分の人生をより良い方向へ変えたい、と考えることもいいのかもしれません。
言霊を信ずるなんて、迷信だと考えがちですが、
科学的には、言葉は脳波に影響を与え、脳の活性化やホルモンの分泌などに、影響を与える力があるととされています。
かつて日本人は、言霊、つまり「言葉には物事を実現する力がある」と考え、暮らしていたということを、私たちは再認識する必要があると思われます、
It’s necessary for us to think that Japanese once thought words have power to realize what they express.
この記事を書く少し前、「日本行きたい」というテレビ番組が流れていました。
南米のアルゼンチンからでしょうか、柿の木を育てている夫婦が、
日本に学びに来ていました、
奈良県の有名な、おいしい柿を作る柿農家から、次のようなことを習っていました。
柿の木に向かって、「成るか成らぬか?成らぬとチョン切るぞ!」と言って育てる、「成り木責め」を行っていました、
“Will you produce fruit ? Or you won’t. If you won’t produce fruit, I’ll cut you down !”
This “narikizeme” was on TV.
言葉の力を果樹の栽培に利用する方法が、現在でも継承されているなんて、すごい驚きでした。
私たちは日常生活で使う言葉の力について、深く考えることにより、さらに幸せな暮らしを引き寄せることが、できるのではないでしょうか、
言葉の持つ力を、先人に倣って、もっと活用してもいいのではないでしょうか。